廃棄物やエネルギー資源をめぐっては、最終処分場の制約、鉱物資源等の枯渇の可能性、
有害化学物質の発生などが問題になっており、大量生産・大量消費・大量廃棄型社会からの
脱却と循環型経済システムの構築が課題になっている。
リサイクルは、リデュース(reduce、減量、排出抑制)やリユース(reuse、再使用、再利用)
と共に、「3R」のひとつと位置付けられる。
資源の再循環
資源の再循環については1970年にアメリカのリチャード・ニクソン大統領が議会に提出した公害教書
(THE FIRST ANNUAL REPORT of the COUNCIL ON ENVIRONMENTAL QUALITY)の中で、
委員会勧告として「物質を最大限に再循環させ再使用することは、処理を要する固形廃棄物の量が
増加するのを押さえるために必要である
(Maximum recycling and reduce of materials are necessary to reduse the growing volume of solid wastes that must be disposed of)」
と記述された。また、日本では昭和46年(1971年)の環境白書で初めて「再生利用」という言葉が用いられた。
3R
3Rの日本語訳について、2000年以降、Reduce(排出抑制)、Reuse(再利用)、
Recycle(再生使用)と定義づけられることが多くなっている。「3R」の概念が登場するまで
日本では「リサイクル」の中に再生利用だけでなく再使用や排出抑制を含めて表現することが
多かったといわれている。例えば平成3年(1991年)環境白書には「新たな資源の投入を出来るだけ抑え、
環境中に戻す排出物の量を最小限とするとともに、
有害物質をできる限り環境に排出しない『リサイクル社会』を形成する努力を行うことが必要」との表現がみられる。
しかし「3R」の概念の登場により「リサイクル」の意味は「再生利用」に特化して用いられるようになった。
日本で「リサイクル」という言葉が初めて使われたのは1974年3月設立の「リサイクル運動市民の会」
(名付け親は糸川英夫)といわれている。また、環境白書で初めて「リサイクル」
という言葉が用いられたのは昭和55年(1980年)版である。