リサイクルショップと金属買取業者の違い
〜不用品の出口戦略を間違えないために〜
リサイクルショップと金属買取業者は、基本的にどちらも古物業の許認可をもって営業を行う場合が多いです。
簡単に違いを言ってしまえば
- リサイクルショップは主に製品をもう一度使うリユースを前提にしている
- 金属買取業者(スクラップ屋)は使用した製品や金属を再利用、リサイクルすることを前提にしています。
はじめに:売る相手で“価値”は変わる
古くなった家電製品、使わなくなった工具、壊れた給湯器。
「まだ売れるかもしれない」と思ってリサイクルショップに持ち込んでみたら、「これは買い取れません」と断られた――そんな経験はありませんか?
それ、金属買取業者に持っていけば現金になっていた可能性があります。
不用品を“ゴミ”として出すか、“資源”として売るかは、誰に売るかで大きく変わります。本記事では、リサイクルショップと金属買取業者の明確な違いを、金属リサイクル業界の視点から丁寧に解説します。
リサイクルショップと金属買取業者の違い
リサイクルショップと金属買取業者では、同様のアイテムを取り扱う場合がありますが、その目的や買取りした品物の販売方法も大きく異なります。
そんな似ているようで違う二つの業種を両方の店舗を運営する方にお話を伺いましたので、簡単に違いを解説致します。
リサイクルショップとは?
目的:製品としての再販売(=リユース)
リサイクルショップは、「中古品として再販できるもの」を買い取り、整備やクリーニングを行って販売します。
ここで大切なのは、“まだ使える”かどうかです。
具体的な取扱品
-
比較的新しい家電(製造5年以内が目安)
-
ブランド家具・日用品・楽器・ホビー用品
-
工具・キャンプ用品など人気ジャンル
買取の判断基準
-
見た目(キズ・汚れ)
-
製造年式
-
市場での需要・販売価格
注意点
-
製造から5年以上経った家電は買い取り対象外のことが多い
-
故障している製品は原則NG
-
重量や素材は関係ない(中身の金属には価値をつけない)
金属買取業者とは?
目的:金属素材としての再資源化(=リサイクル)
金属買取業者は、製品としての価値ではなく、素材(鉄・銅・アルミなど)としての価値に基づいて買い取りを行います。製品が壊れていても、汚れていても問題ありません。
具体的な取扱品
-
壊れた給湯器、電子レンジ、エアコン
-
モーター、配管、ケーブル、分電盤
-
鉄、銅、真鍮、アルミ、ステンレスなどのスクラップ全般
買取の判断基準
-
含有されている金属の種類(例:銅なら高値)
-
重量(kg単位で計量)
-
市場相場(非鉄金属価格は日々変動)
注意点
-
外見が汚れていても問題なし
-
ブランドや製造年式は一切不問
-
木材やプラスチックなど非金属の比率が多いと減額の可能性あり
取り扱う品物の状態
- リサイクルショップの場合 |美品や状態がいい品物で、欠品や破損が無いものが基本になります。
- 金属スクラップ買取業者の場合|状態に関わらず、素材が単一であることが望ましいとされています。(不純物が無い状態)
店舗やヤード(工場)など、見た目の違い
- リサイクルショップの場合 |店舗型やテナント型で営業している場合が多いです。
- 金属スクラップ買取業者の場合|倉庫や更地など、ある程度広い場所で営業している場合が多いです。
それぞれの得意と不得意
- リサイクルショップの場合 |再度使用可能な品物で、製品としての価値、価格が大きく変動します。
- 金属スクラップ買取業者の場合|使用の有無は関係なく、あくまで金属としての価値なので価格が担保されやすい。
客層や目的性は?
- リサイクルショップの場合 |一般や個人向け、状態がいいものを売る場合に向いている。
- 金属スクラップ買取業者の場合|一般や個人から買取していない業者もありますが、リユースの需要が無い場合に向いている。
金属リサイクル現場の本音:見た目ではなく“中身”で判断
金属買取の現場では、見た目がどれだけボロボロでも、中に銅・アルミ・ステンレスなどの金属が含まれていれば現金化されます。
逆に、新しそうでもプラスチックや木製部分が大半の製品は、素材価値が低いため価格がつきにくいのです。
特に注目すべきは「銅」や「真鍮」などの非鉄金属。これらは鉄よりも数倍〜十数倍の価格で取引されており、買取単価に大きく影響します。
なぜこの違いが生まれるのか?
リサイクルショップと金属買取業者の違いは、リサイクルの“方向性”によるものです。
-
リユース (再使用) =商品としての価値を保ったまま再販する
-
リサイクル(再資源化)=素材に分解して原料に戻す
前者は製品としての寿命が問われ、後者は**「素材に還元して、また新たな製品の一部になる」**という循環型経済に貢献するルートです。
どちらに売ればいいかわからないとき
どちらにもメリットやデメリットはあります。でもまずはリサイクルショップに問い合わせすることをお勧めしています。
やはりリユースによる製品として販売することが一番高く売れるのは間違いありません。ただし近年では資源相場(金属の相場)が上昇しており、その限りではありませんが、環境にもメリットが大きいので様々なリサイクルショップで相見積もりをしてください。
失敗しないための判断フロー
① まだ使える?
→ YES → リサイクルショップへ
→ NO → 金属買取業者へ
② 壊れていても金属が入っている?
→ YES → 金属買取業者へ
→ NO → 一般ごみ or 不用品回収業者へ
結論:不用品は“出口”を見極めれば資源に変わる
「古いから捨てよう」
「壊れたからごみに出そう」
――そう判断する前に、その製品が資源としての価値を持っているかを見極めてみてください。
-
製品として再販できそう → リサイクルショップ
-
壊れているけど金属が含まれている → 金属買取業者
-
どちらでも難しい → 不用品回収業者や廃棄処分
こうした出口戦略を知ることが、SDGsで言うところの「12.つくる責任 つかう責任」の実践にもつながります。
おまけ内容
金属スクラップ業と似たような業態が存在する
ジャンク屋
名の通りジャンク品を専門で取り扱う業種である。
スクラップ屋
以前であれば、車などのポンコツ屋や自動車の解体業者を指す言葉であったが、
近年では金属の買取業者を指すことが多い。
もぎ取り屋
セルフ式の部品取り専門店のような業種、
主に自動車やオートバイなどで展開していることが多い。
金属買取業者は製品を原料として扱い、資源としてリサイクルすることを目的としている。
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