アルミニウムは軽量で熱伝導率が高く、空気中では酸化皮膜を作り錆にくいため、製造者にも消費者にもメリットがある。使用後のアルミ缶は軽量であり容易に押し潰せることからも廃棄後に収集・運搬する上でスチール缶より楽である。ただし酸には弱いので食品用などでは表面コーティングが施される。
アルカリにも侵されやすく、水素を発生させる。日本ではアルカリ系洗剤を蓋付きのアルミニウム缶(後述のボトル缶)に入れて持ち運び、混雑した電車内で缶が爆発して洗剤が飛散した事故も起きている。この場合は飲料の水分も入っていたため反応が促進されたと考えられている。
また、ゴミとなった後も電磁石でスチール缶と分別することが容易であることから瞬く間に普及した。他のアルミ製品同様、サッシや鉄道車輌、自動車部品などにリサイクルしやすいこともあり、使用量が増加している。
21世紀に入りアルミ缶の成形技術が進歩した結果、PETボトルのような形状をして、複数回の開閉に適したキャップを持つ「ボトル缶」と呼ばれる製品が普及している。PETボトルの場合、胴体をくるむフィルムにパッケージのデザインを印刷しているが、ボトル缶の場合はほぼ全体を印刷スペースとして利用可能なため、デザインの自由度が高い。中身が見えないことを美観的に好ましいと考えることもある。
飲み口側の胴部が細くなっているのは「口絞り」(ネッキング)と呼ばれ、アルミニウム合金製の比較的高価なフタを小さくしてコストを削減しながら強度を保つ工夫である。