鉄のスクラップは屑鉄(くずてつ)ともいう。鉄鉱石と同様、重要な製鉄原料である。
鉄スクラップは、電気炉によって再び鋼鉄へとリサイクルされる。高炉を持たない電炉メーカー
が鉄スクラップを原料とする。しかし、鉄スクラップを原料とした鋼鉄は不純物の量がやや多いため、
鉄鉱石から生産された鋼鉄よりは品質が劣る。 代表的な鉄スクラップとして廃車(プレス後のもの)、
スチール缶(プレス後のブロック状)がある。鉄スクラップには大きく分けて
「市中スクラップ」と「自家発生スクラップ」とがあり、
このうちここで一般に鉄スクラップと言っているのは、市中から発生する「市中スクラップ」のことである。
なお「自家発生スクラップ」は、製鋼会社の工程から出てくるスクラップのことで、
製鋼の工程の中で再利用が図られており、市中に出回ることはない。