アルミ缶とアルミ缶スクラップのすべて

　私たちの生活にとって身近な存在、「アルミ缶」とそのリサイクル資源である「アルミ缶スクラップ」について、詳しくご紹介していきます。

　アルミ缶とは？

アルミ缶は、飲料や食品の容器として広く使用されている金属製の缶です。軽量で耐食性に優れており、加工がしやすく、リサイクル性が高いという特長を持っています。

主な用途

清涼飲料水（ジュース、炭酸飲料）
ビール
缶詰（少数派）

　アルミ缶はその90%以上が再生可能とされており、環境への配慮が求められる現代社会において、非常に優れた素材といえます。

　アルミ缶スクラップとは？

　定義と概要

　「アルミ缶スクラップ」とは、使用済みのアルミ缶を回収し、再利用するための廃材（スクラップ）のことです。家庭やオフィス、飲食店などから回収されたアルミ缶は、リサイクル施設で選別・圧縮され、再び溶かされて新たな製品へと生まれ変わります。

　アルミ缶リサイクルの流れ

回収
　家庭や自治体の回収ボックス、スーパーなどの回収拠点から使用済みアルミ缶を集めます。
選別・洗浄
　異物や他素材（スチール缶やプラスチックなど）を取り除きます。
圧縮・梱包
　効率よく運搬・処理するために、アルミ缶をブロック状に圧縮します。
溶解
　アルミ缶は高温の炉で溶かされ、インゴット（塊）に再形成されます。
再製品化
　インゴットから再び缶材や建材、自動車部品などに加工されます。

アルミ缶スクラップの価値と価格

アルミ缶は他の金属に比べてリサイクル価値が高いです。理由は次のとおりです：

製造コストの大幅削減：新品アルミを作るのに比べ、再生アルミは約3～5%のエネルギーで製造可能。
高需要：自動車・建築・電子機器分野など、さまざまな業界で需要があります。
価格相場：アルミ缶スクラップの買取価格は変動しますが、2025年現在で1kgあたり100〜150円前後が相場です（地域や市場により異なる）。

アルミ缶リサイクルのメリット

✅ 環境への貢献

アルミ缶のリサイクルはCO₂排出量の削減にも大きく貢献します。再生工程はエネルギー消費が少ないため、地球温暖化対策の一環として非常に重要です。

✅ 資源の有効活用

ボーキサイトという鉱石から精錬されるアルミニウムは、限りある資源です。リサイクルにより天然資源の消費を抑制できます。

✅ 経済的メリット

家庭や団体でアルミ缶を集めてスクラップ業者に売却することで、**資金調達（例：学校・自治体の活動資金）**にもつながります。

　よくある質問（FAQ）

　Q. スチール缶とアルミ缶の見分け方は？
　A. 磁石を使えば簡単に見分けられます。スチール缶は磁石にくっつきますが、アルミ缶はくっつきません。

　Q. プルタブだけを集めても意味があるの？
　A. 昔はプルタブだけ集める活動もありましたが、現在は缶全体をリサイクルする方が効率的です。

　アルミ缶の特徴について

アルミニウムは軽量で熱伝導率が高く、空気中では酸化皮膜を作り錆にくいため、製造者にも消費者にもメリットがある。使用後のアルミ缶は軽量であり容易に押し潰せることからも廃棄後に収集・運搬する上でスチール缶より楽である。ただし酸には弱いので食品用などでは表面コーティングが施される。

アルカリにも侵されやすく、水素を発生させる。日本ではアルカリ系洗剤を蓋付きのアルミニウム缶（後述のボトル缶）に入れて持ち運び、混雑した電車内で缶が爆発して洗剤が飛散した事故も起きている。この場合は飲料の水分も入っていたため反応が促進されたと考えられている。

また、ゴミとなった後も電磁石でスチール缶と分別することが容易であることから瞬く間に普及した。他のアルミ製品同様、サッシや鉄道車輌、自動車部品などにリサイクルしやすいこともあり、使用量が増加している。

21世紀に入りアルミ缶の成形技術が進歩した結果、PETボトルのような形状をして、複数回の開閉に適したキャップを持つ「ボトル缶」と呼ばれる製品が普及している。PETボトルの場合、胴体をくるむフィルムにパッケージのデザインを印刷しているが、ボトル缶の場合はほぼ全体を印刷スペースとして利用可能なため、デザインの自由度が高い。中身が見えないことを美観的に好ましいと考えることもある。

飲み口側の胴部が細くなっているのは「口絞り」（ネッキング）と呼ばれ、アルミニウム合金製の比較的高価なフタを小さくしてコストを削減しながら強度を保つ工夫である。