テレビ朝日「スーパーJチャンネル」に出演しました【アルミ缶・アルミ相場解説】
テレビ朝日に出演
2022/06/02放送のテレビ朝日のスーパーJチャンネルにアルミ缶スクラップやアルミ相場の解説を金属スクラップの専門家として出演しました。
近年のアルミ相場が高騰しており、金属相場情報や金属スクラップ買取業者としての具体的な内容について神田重量金属株式会社(神田真理雄)が解説しました。
金属スクラップ図鑑やブログでも解説
神田重量金属株式会社では、金属スクラップに関する解説や環境・SDGs関連の最新情報を発信しています。
「非鉄金属リサイクルブログ」「週刊スクラップニュース」「金属スクラップチャンネル(YouTube)」「金属スクラップ図鑑」なども運営・企画しており、金属リサイクル業界の中心ドライバーとして日々更新しています。
テレビ出演の際の解説内容まとめ(アルミ缶)
一般のお客様や個人様でもアルミ缶や飲料缶を持込・売りに来られるお客様は今年に入り大幅に増加しています。
そのため、持ち去りなど問題が起こることも多いですが、環境面も含めて詳しく解説した内容を記載致します。(内容はテレビ出演の際の内容と同じです)
アルミ缶及びアルミ缶プレス(UBC:Used Beverage Can)の価格推移
- 2021年1月の水準 ※国内アルミ地金ベース\207.8円/キロ/円計算/月次平均 ※LMEアルミニウムベース\2003.98円/トン/USドル・月次平均 アルミ缶のバラ(一般物) ¥85~115円/㎏(税別) アルミ缶プレス(UBC) ¥120~130円/㎏(税別)
- 2021年4月の水準 ※国内アルミ地金ベース\253.12円/キロ/円計算/月次平均 ※LMEアルミニウムベース\2319.39円/トン/USドル・月次平均 アルミ缶のバラ(一般物) ¥105~135円/㎏(税別) アルミ缶プレス(UBC) ¥155~165円/㎏(税別)
- 2022年4月の水準 ※国内アルミ地金ベース\409.52円/キロ/円計算/月次平均 ※LMEアルミニウムベース\3244.41円/トン/USドル・月次平均 アルミ缶のバラ(一般物) ¥195~245円/㎏(税別) アルミ缶プレス(UBC) ¥245~265円/㎏(税別)
価格推移は上記の通りとなります。2021年であれば、1月がもっとも水準が低く、毎月上昇しました。
価格高騰の理由(要因)
- 【環境面で再利用可能なアルミが注目され始めた】 SDGs、持続可能な資源としてアルミ資源を使用することにより、環境的な意味以外でも、加工が容易で軽く、リサイクルしやすい合金金属となっております。 (広い意味でスーパーサイクルとも呼ばれます)
- 【コロナ需要】 コロナ関連で世界の在り方が大きく変わった際に、身の回りのハードも大きく変わりました。 その際に需要が増えた製品が多くなりました。 ※例 ・自動車(密を避ける移動手段)(自動車にはアルミが多く使用される) ・住宅向け(在宅が増えたため、住まい需要増)(建材・建具・アルミサッシなど) ・調理器具(外食が減り、自炊が増えた)(フライパン・鍋・アウトドア調理器具など) 他にもたくさんありますが、一般的にわかりやすいのは上記だと思われます。
- 【製品で使用される新たな製品と置き換わりが増えた】 この数年で大きく変わったのは電気自動車が挙げられます。 電気自動車にはモーターが使用されるため、従来までのエンジンに使用されるアルミ比率より多くなります。 また、車体を軽くするためにアルミが使用される場合もあります。(テスラなどがそれにあたります) 資源相場自体が上昇したため、家庭用エアコンに使用されるラジエター(銅パイプにアルミの板がついたもの)がありますが、 一部メーカーで銅パイプではなく、アルミパイプを採用したニュースもここ数年です。
- 【ロックダウンなどによる物流影響】 アルミの原料は世界中で日々取引されており、原料調達のズレから材料不足となり、投機的な意味も含めて相場自体が上昇したとも言われています。
- 【中国需要】 資源や製品の大量需要大国である中国は、アルミも含めて世界中から調達を行っていました。 そのため日本相場でも影響が大きく、リサイクル原料としてのアルミスクラップが国内向けの価格と輸出向けの価格に大きな乖離が有りました。(約10%~15%ほど、輸出向けが高い) ※3月に中国の上海でロックダウンが始まり、4月は様子見でしたが、4月後半~5月からアルミ相場が大きく下落しました。 ※この際に輸出向けでリサイクル資源の調達を行っていた業者が、売り先が無い&資金ショート&置き場が無くなるといった3重苦により、国内へたたき売りが起こったため、連鎖的な大幅下落となりました。 ※少し外れますが、ロシアから輸入されていたアルミも一部止まっています。
アルミ缶をスクラップ業者へ売りに行く人自体は増えていることは事実ですが、全体的なアルミ缶需要では、国内でもイベントや外出などに制限があったため、”発生の数量自体は減っている”とする方が正確だと思われます。
行政の許可を取らずに盗難を行う方(持ち去り行為の争奪戦)
行政のクリーンセンターなどのアルミ缶屑の入札(売り払い)などの数量は大きく減っています。これはエリアに限った話ではなく、全国的に影響しています。
一部エリアではホームレスの方による持ち去りは以前から問題とされていましたが、今回はより具体的な内容を考えたいと思います。
- アルミ価格の高騰については前半で記載している通り、去年の同月水準からみて概ね2倍程度となっております。
- 集積場などから無断で持ち去る業者について、業者が持ち去るというより個人の方が多い印象で、自治体などによれば朝早い時間帯で外国人の方が回収に回っている場合が多いようです。
- ホームレスの方の持ち込み数は変わらずなのですが、発生数量が若干減っています。 これはおそらく一部の発生場所が取り合いになっていると思われますが、相場高騰の影響から売却した際の受取額の合計は大きく増えています。 都市でのホームレスの方による売上は日に4,000~6,000円と計測しています。 単純に倍以上になっているため、一般的なフリーターより稼いでいる「リッチホームレス」と最近では言われています。
- ホームレスの方への買取価格を抑えているという業者がいるという話もあります。これは業者にもよりますが、ホームレスの方は一般的に移動範囲が決まっているため「価格を下げても持ってくる」や「このくらいの単価を出せば満足する」などと考える業者もいます。 この点につきましては弊社では値段差は逆となっており、ホームレスの方で身分証を持っている方限定にはなりますが、通常のアルミ缶スクラップの品質がとにかく高いです。 確実に分別・不純物の除去・煙草の灰などの確認をされているため、高品質なアイテムと考えております。
※今回の記事内容はホームレスの方を特別扱いや差別するものではありません。
アルミ缶の売り方や相場まとめ
余談にはなりますが、近年アルミ缶に関するニュースについて違和感を感じる点があります。
「日本ではアルミニウムの生産をしていない、100%輸入に頼っている」 これは、アルミニウム原料の新塊に関する話です(99%輸入)。
国内で利用されるアルミは、ほとんどが二次合金アルミです。これがアルミニウムの生産にあたります。
アルミ缶の行き先は主に3つ ・アルミ缶は二次合金原料で使用される場合もありますが、基本的に「缶to缶」、アルミ缶からアルミ缶を生産しています。(これは世界でもトップクラスです)
・製鋼所向けの脱散財原料としてアルミが使われる
・輸出向け(韓国)が好調で、日本からも多く輸出されています。
※海外では本来、日本製のアルミ缶が不人気です。
この理由は、日本製のアルミ缶は技術が高すぎて薄いため、歩留まりや再生コストが悪くなってしまうという話も有名です。
アルミの中でもアルミ缶は相場が独自のため、一般的なアルミ相場と異なる動きになる場合が多いです。
そのため、アルミ缶高騰の理由とアルミ資源相場高騰の理由は一致しているわけではございません。 以上でアルミ缶に関するテレビ出演の際の記事をまとめた内容になります。
ご参考になれば幸いです。
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