リサイクルショップの開業の仕方

 

2025/06/01更新

 

 〜不用品を資源に変えるビジネス、最初の一歩〜

 中古品の再流通が注目される現代。節約志向と環境意識の高まりにより、「リサイクルショップ開業」は副業・起業の選択肢として人気が高まっています。
 しかし、単に「いらないモノを売る場所」を作れば成功するほど、甘くはありません。
 この記事では、金属リサイクルの現場視点も交えながら、リサイクルショップ開業の実務ステップや注意点をわかりやすく解説します。

 

 

 実店舗のリサイクルショップの開業の仕方を現役でリサイクルショップの経営に参加している方を取材したので記事にしたいと思います。


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リサイクルショップの開業

 実店舗のリサイクルショップの開業の仕方を現役でリサイクルショップの経営に参加している方を取材したので記事にしたいと思います。

 

 そもそも「リサイクルショップ」とは?


 リサイクルショップとは、中古品や不用品などを買い取り、必要なメンテナンスやクリーニングを施した上で再販売する店舗のことです。

 対象となる商品は多岐にわたり、以下のようなカテゴリがあります

  • 家電製品(冷蔵庫・電子レンジなど)

  • 家具(テーブル・ソファなど)

  • 衣類やブランド品

  • 工具・自転車・日用品

  • 楽器・ホビー・金属製品 など

 特に中古市場で人気があるのは、「状態が良い」「年式が新しい」「ブランド品」といった条件を満たすものです。

 

 リサイクルショップ開業のステップ


 リサイクルショップの開業には、法的手続き・仕入れ・販売チャネルの整備が不可欠です。以下の流れで見ていきましょう。

① 店舗を決めよう

● なぜ許認可ではなく店舗?

 古物業の許可を先に取得したいところではありますが、許認可をとるための敷地が必要なため、先に営業可能な店舗を用意する必要があります。

 ニッチな内容であれば別ですが、基本的にはメイン道路も問題ありませんが、ランニングコストや持続可能な運営を考えると、

【生活道路】生活道線

 それでも家賃が少し高い…という問題があると思いますが、広告宣伝費がセットになっていると考えてみるとどうでしょうか?
 メイン道路もいいのですが、走るための道と生活のための道でイメージしてみるとわかりやすいかもしれません。
 但し、ターゲット層が決まってる場合、そこも意識しましょう。
 店舗調査について詳しい記事がありましたのでリンク記載 詳しくはコチラ
 店舗が決まり、契約などのめどがついたら古物業・古物行商の許認可を取得しましょう。

 古物業の取得方法はコチラ

 

 ② 古物商許可を取得する

● なぜ必要?

 中古品の売買を行うには、”「古物営業法」に基づく「古物商許可」”が必要です。無許可営業は違法です。

● 申請先

 各都道府県の警察署(生活安全課)経由で申請します。

● 必要な書類例
  • 古物商許可申請書

  • 身分証明書(住民票など)

  • 略歴書

  • 事業計画や営業所の情報

 ※取得までにおよそ3~4週間かかる場合があります。

 

金属系も扱う場合は、金属買取業者との連携や解体・分別の知識が活きます。

 

 ③ 仕入れルートを確保する


 リサイクルショップの命は「仕入れ」にあります。仕入れのパターンは主に以下の3つです

  • 店頭買取(来店客からの直接買取)

  • 出張買取(引越しや遺品整理の現場など)

  • 業者仕入れ/オークション仕入れ(業者間流通やネット競売など)

 安定した仕入れには、地元での信頼構築とWeb集客が鍵になります。

 

 ④ 店舗 or オンラインで販売する


 販売方法も開業の成否を大きく左右します。

  • 実店舗:地元に根ざした営業が可能。地域性を活かせる反面、家賃や光熱費が負担に。

  • ネット販売(ヤフオク・メルカリ・自社サイト):全国相手に売れるが、梱包・発送の手間がかかる。

  • ハイブリッド型:店舗とネット両方で販売。初期はおすすめ。

 

 ⑤ 広告宣伝の重要性


 基本的には一番お金をかける(労力をかける)点といえると思います。

 無料の宣伝方法と効果的に有料の宣伝を考えてみましょう。

 一番最初にやるべきはグーグルマップの登録

 これは必ずやりましょう。自身の店舗の設定を細かく出来る点もありますが、営業時間や取扱い商品の紹介などもリアルタイムで反映可能です。

 また、お客様からの貴重な口コミを取り入れることにより、よりよい運営を行うことも可能です。

 Googleマップの対策や運営設定については有料でやってくれる業者もいますが、基本的には誰でもできます。

 苦手な人はSNSをやらなくてもいい

 ダイレクトなマーケティングを意識する上で必要ではありますが、日々の更新などができない場合、あえてやる必要はないでしょう。

 

 ⑥ 内装や外装について


 看板や中の棚などレイアウトも大切です。

 ●看板について

 目立つ・わかりやすい・必要な情報だけを意識しましょう。

 極端な話、店舗の名前より優先されるべきはお客様が必要な情報だ、ということを常に意識しましょう。ちなみに、ホームページや広告についても同じことが言えます。

 お客様は会社概要や社長の言葉ではなく、必要なものを求めているのです。

 

 ●棚のレイアウト

 中古品やアウトレットは綺麗に並べすぎない方がいい、と個人的に思います。

 乱雑な商品から欲しいものをザッピングする、これは中古品が好きな人がネットサーフィンをするように実店舗で体感できるという要素でもあります。

 

 必要な設備

 レジや金庫、パソコンやタブレット、車両、文具、など最低限の物だけ揃えましょう。

 基本的に必要な設備はリサイクルショップであれば手に入る場合が多いです。

 オススメ設備としては、少し大きめのカッティングシート機械を導入して、看板や商品看板、車両のシールなど、定期的に交換して新鮮な状態を維持することが可能です。

 古物業の許可を先に取得したいところではありますが、許認可をとるための敷地が必要なため、先に営業可能な店舗を用意する必要があります。

 費用まとめ

  • 店舗費用   120万円
  • 店舗家賃   20万円
  • 広告費用   20万円
  • 内装費用   30万円
  • 外装費用   30万円
  • 設備費用   10万円
  • 初期仕入費用 20万円
合計費用   250万円

 地域によって差は出ますが、弊社のグループ会社の例でいうと、家賃23万円と敷金60万円ほどで合計が100万もかかっていません

 

 ⑦ フランチャイズチェーンについて


 リサイクルショップであれば、基本的には必要ありません。
 ただし、戦略や経営面が苦手な方の場合、アウトソーシング的な意味で活用してみるといいと思います。

 

 

【参考資料】実際の損益計算書の一部

 まだまだやりだして3年未満の小さな店舗ですが、基本的にはこのような感じで毎月動いているようです。

 

【参考記事】≫中古業者が失敗する理由

 

⑧ 在庫管理と利益計算


 リユース業の落とし穴は「在庫管理の甘さ」です。以下の点に注意

  • 商品1点ごとの原価管理(仕入れ価格、販管費)

  • 保管スペースと回転率(売れない在庫はコスト)

  • 季節品・流行品は早期売却を意識

利益率はジャンルによりますが、買取価格の2倍〜3倍で売れれば優良とされます。

 

 ■ 開業前に知っておきたいポイント

◆ 法令遵守が前提

 古物商だけでなく、必要に応じて以下の届出・資格が必要な場合もあります。

  • 食品・酒類 → 保健所や税務署への届け出

  • 電気製品の修理 → 電気工事士や特定技能が必要になることも

◆ 廃棄物処分との違いを明確に

 売れなかった在庫を「捨てる」場合、それが「廃棄物処理」に該当すると産業廃棄物処理法の対象になることもあります。処分先は適切に選びましょう。

 

 ■ 金属リサイクルとの相性は?

 リサイクルショップを開業する上で、金属スクラップの扱いも視野に入れると、ビジネスの幅が広がります。

  • 壊れた家電 → 商品としては売れなくても金属としては価値あり

  • 工業機器や工具 → 状態不良でも素材価値で現金化

  • 古い配線やモーター → 銅や真鍮を含めば高単価取引

 このように、”「製品として売れない=価値ゼロではない」”という視点を持つことが、収益性の鍵になります。

 

まとめ:成功の秘訣は“再販価値の目利き”“素材価値の理解”

 リサイクルショップの開業は、環境にも財布にもやさしいビジネスです。ただし、「ただモノを売る」だけでは継続できません。

  • 商品としての再販価値(リユース)
  • 素材としての資源価値(リサイクル)

 この2つを見極める目を養い、買取と販売の「出口戦略」を設計することが、収益性と持続性を支える基盤になります。

 

 

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