金属買取業者の開業の仕方

 

 リサイクルショップの開業についてはコチラ

 

 

 金属スクラップ業者を開業するために必要な事、開業してからのこと考える事。

 

初めに、金属買取業者を開業するのは”ある意味簡単”かつ誰にでもできます。

開業の仕方から必要になる全てをまとめたいと思います。

ちなみに、この情報は【神田重量金属の前社長】【佐野重量金属の前社長】二人とも経験年数は10年以上で実際に億のお金を稼がれた方に教えてもらいながら作成いたしました。

 

 

銅相場、銅建値、スクラップ買取、神田重量金属株式会社、非鉄金属リサイクルブログ

 

 1.取り扱うスクラップは決めた方がいい?

 

基本的に取り扱うアイテムを決める必要はありません。 

ただし、開業後に安定してから得意なアイテムや頻繁に納品されるアイテムに対して特化していくことが必要になる場合があります。

※ただし、店舗(ヤード)の規模により、ある程度絞る必要もあります。

 

 

 2.鉄屑屋・非鉄屋・雑品屋の違い

 

上記の違いについて、短所や長所を含めて説明します。


鉄屑屋

その名の通り鉄屑をベースにしており、さらに細かく分けると

ギロチンヤード】【集荷ヤード】分類され

ギロチンヤード(問屋)ではその名の通りギロチン加工をするために、数千万、数億の機械や広大な敷地、設備、など必要になります。

たとえば、敷地3000坪、重機コンマ7を2台、ギロチン(小さめ)トラックスケール等、くらいだと軽く4~6億ほどかかりますので、オススメはしません。

集荷ヤードについてはギロチンなどの設備や広大な敷地は必要としていません。

都市部でのスマートヤードにも適応します。ただし、最低限重機やトラックスケールは必要ですので、少し費用はかかります。

一概には言えませんが、中古で上手くやれば1,000万未満で可能です。


●非鉄屋

その名の通り非鉄金属を取り扱うスクラップ業者です。

トラックスケールはあると便利ですが、初めは台秤(10万~50万)ほどで購入できます。

重機もあると便利ですが、中古のミニユンボや中古のリフトでも可能です。


●雑品屋とは?

雑品屋はある意味全てのスクラップをメインにします。(コンビニみたいなもの) 

大きく鉄屑屋、非鉄屋と違うのは取扱品目に【貿易商品】【生き商品)が含まれます。

ミシンや楽器、OA機器・農機具・など取扱は膨大ですが、必要な設備に関しては非鉄屋と同じになります。

 

 

 3.回収専門業者・ヤード荷受け業者

 

上記で三つに分類しましたが、ヤード荷受けをしない回収を専門にする業者もいます。

基本的に鉄を回収するという業者は少ないです。理由は単価が低い、積載効率が悪い、などがあります。

基本的には非鉄金属か雑品などを回収する業者が多く、利益単価が高いことが要因です。

ちなみにですが、廃品回収業者と集荷業者の違いについては別記事で記載しています。

 

ちなみに集荷業者・集荷業務でもっとも積載効率がいいのはバッテリーだと言われていますので、

バッテリー買取業者の記事も記載しておきます。

 詳しく見る

 

 

 4.必要な設備は?

 

一部は上記で記載していますが、それ以外の設備を金額も併せて記載します。


吊り秤】クレーンやリフト、支えになる場所があれば引っ掛けることで計量が可能です。

金額はピンキリですが、5万~30万ほどで購入可能です。


剥線機】太い線を剥いたりするもので、電線に付加価値をつけることができます。

金額はピンキリで、10万~100万ほどで購入できます。


分析器】これはかなりお金に余裕がある場合や、特殊金属を取り扱う場合に必要です。

金額は100万から1,000万近いものまで様々です。


コンテナ】スクラップを入れるコンテナです。これも数を揃えるとかなりの費用になります。 

金額は3立米サイズで10万~15万ほどです。


アルミ缶プレス機】これに関しては無駄と考えていましたが、友人が非鉄回収でアルミ缶をメインにしている方がいて考えが変わりました。

 詳しくはコチラ

 

 

 5.必要な許認可は?

 

必要な許可は【古物商、行商】【金属屑商、金属屑行商】地域によっては【使用済み金属】などがあります。

 ≫許認可についての記事はコチラ

 

ちなみに、よく産廃の許可や一般廃棄物の許認可が必要など言う方がいますが、お金を頂いて廃棄物を運ぶのは違う業種になりますので、よく確認してください。

 ≫廃棄物の記事はコチラ

 

 

 6.必要な資金は?

 

規模にも寄りますが、ご自身で上記の情報から計算してみてください。

参考程度にですが、神田重量金属の前社長は体重計と3万円と建設業者の敷地を間借りして始められたそうです。

佐野重量金属の前社長は最初に30万円ほどで、家賃5万円、設備なし、看板は段ボールで自作で始められたそうです。

バッテリー買取ドットコムの小林氏は以前、個人独立で回収をやられていましたが、貰い物の軽トラと3万円を握りしめて始められたそうです。

ちなみに小林氏は何年もしっかり稼いでいましたが、神田前社長が口説いて神田重量金属へ来ていただいた次第です。

 

 実際のところ

私個人的には上記の二人は少し特殊なケースでもあるので、一般的には集荷業者で開業して20万円ほどの中古軽トラックと50万程度の最低運転資金は必要だと考えます。

細かい道具などは営業しているうちに意外とスクラップとして入ってきます(笑)

 

 

 7.どこに営業したらいい?

 

営業をかける場所に関してですが、正直どこでもいいといわれる方が多かったです。

そのため、わたくし事務員的によく来るお客様の業種をまとめたいと思います。

自動車整備工場、バイクや自転車整備工場、電気や水道の設備業者、建設業者、などですね。

工場や大きな会社は開業したばかりだと知名度や信用がないためツテがないと難しいかもしれません。

 

 

 8.どこに売ればいい?

 

売り先に関しては、少量であれば近くのスクラップ業者へ全て電話をして買取金額の確認をしましょう。

ある程度の量がある場合、県外を視野に入れて問合せをしましょう。

最近だとネットで金額を公表している会社もありますが、一応確認の電話をしましょう。

ちなみにですが、持ち込む際には必ず自身で計量をしましょう。

 ≫ネットで買取価格調べる方法

 

 

 9.利益を上げるために必要な3つの要素

 

 ●スクラップを貯める方がいいのか、貯めない方がいいのか


意見が分かれるところではあります。無限のお金と無限の敷地がある場合、尚且つ仕事ではなくギャンブルをしたい方は貯めるといいでしょう。

スクラップの相場に絶対はありません。ただし絶対に近いのは”その日の相場”だけです。

その日に買ったものをその日に売れば基本的には必ず利益はでます。

相場に自信をもって在庫をされる場合、見えない経費がたくさんかかっているので、その点も注意が必要です。

似た話で【ビス無しアルミサッシ】の検収は赤字になる!?という話があり、そのうちブログに記載します。

話が逸れました。

 

 要素1絶対に無料でスクラップをもらうのはやめよう】


一見利益があがり、お客様が納得してくれてるならいいのでは?という意見もありますが、買取業者でいるためにプライド的な意味も無いとは言えません。

必ず1円でもいいので支払いましょう。受け取らない場合は、ジュースなどを渡すのもいいかもしれません。

 

 要素2【お客様との信頼関係の構築とコミュニケーション】


お客様との信頼関係は必ず大事にしましょう。当たり前のように聞こえますが、誠意をもって計量をすることや検収を誤魔化さないなど、私はこの業界まだ3年ですが、驚くほどそういう話を聞くことが多いです。ばれてないと思っていても、気づく人もいるんですよ。

 

 要素3【お客様が儲けてもらうのが金属スクラップ業者の本業である】


多くの発生する会社や個人のお客様は、金属スクラップを売り払って商売をしているわけではありません。

あくまで本業の発生ロスや不要になった材料をスクラップダウンという形で私たちスクラップ業者に出して頂けています。

ある意味、本業でお客様が儲けてもらうために金属スクラップ業者としてできることを追求すれば、自然と利益が上がります。(と言ってました)

 

 

 10.最後

 

金属スクラップ業者の開業の仕方についてまとめましたが、実際どんな仕事も簡単をいうのは少ないと思います。

深堀していけば知識がたくさん必要だったり、経営の部分が難しかったり、様々な問題があります。

少しでもこれから金属スクラップ業者を開業される方の参考になればと思います。

ありがとうございました。

神田重量金属株式会社 中の人

 

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  この記事について(著者情報)

 金属リサイクルの専門家として金属スクラップを取り扱う神田氏と山崎氏が解説しています。

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