トラックコンテナ・海上コンテナ
トラックコンテナ・海上コンテナの種類や用途を解説
物流用コンテナは、製品や材料などの物流を目的で使用されており、規格が定められているため世界中で幅広く使用されています。

「トラックコンテナ」とは、主に平ボディやウイング車などの荷台に搭載される、鋼鉄製の大型ボックスのことを指します。
積載物の保護や、効率的な積み下ろしを目的に使用され、現場ごとに形状や大きさ、開閉方式が異なります。
物流用コンテナ
物流の業界イノベーションでもあり、物流業界の最大の発明のひとつとも言われています。
世界基準により規格化されたコンテナは、安定的で安全な輸送が実現し、国内の物流取引だけではなく、世界中での商品の取引も可能となりました。
海上コンテナの歴史
本格的に海上コンテナによる海運がはじまったのは、1950年頃にアメリカの陸運業者「マルコム・マクリーン」により58個のコンテナの輸送が始まり、現在の原型を作り上げたと言われています。
物流だけではなく、海上コンテナには様々なメリットがあります。
・貨物の盗難や輸送破損を回避できる
・安定的な輸送やスケジュール調整が可能になった
・多種類の製品や商品が世界中から輸送可能となった
物流だけではなく、製造にも大きな恩恵をもたらした
製品の製造や加工などは、その地域や国によるギャップが活用できるようになりました。たとえば、人件費の安い国で部品などの製品を行うことにより、相対的に安価な製品を製造することが可能なっています。
消費者のだけではなく、技術や設備が無い国でも雇用が生まれ、世界中で大きな経済効果をもたらしました。
コンテナの種類と特徴
トラック用のコンテナの特徴について
保冷コンテナ
金属製の丈夫な箱型コンテナで、冷凍や冷蔵を目的としているため、冷却機能が搭載されています。金属・断熱材・木材などで構成された製品です。
アルミコンテナ
金属製のコンテナですが、鉄ではなくアルミが使用されており、積載を目的に軽量化されたトラックコンテナです。
アルミウイングコンテナ
通常のアルミコンテナの両サイドが開閉式になっているトラックコンテナです。フォークリフトなどによるパレット積み等の物流の効率化のために使用されており、現在のほとんどがこれにあたります。
海上コンテナの特徴について
ドライコンテナ
一般的な貿易・輸送に使用されるコンテナはドライコンテナと呼ばれています。丈夫で耐久性の高い金属製(鉄)で、雨風から内部を守るために高い機密性があるのが特徴です。
リーファーコンテナ(冷凍機能付き)
コンテナ事態に冷凍設備が設置されており、内部に断熱材が使用されているため、内寸が少し狭くなっているのが特徴です。食品などの温度の管理が必要な物流に適しています。
オープントップコンテナ
丈夫に天井が無く、容器のような形状のコンテナです。ただし上部にはシートなどで半開閉式のような物や、屋根自体が吊り下げにより開閉が可能な物など様々です。
フラットラックコンテナ
大型製品や重量物などの運搬を対象にしており、屋根部分と両サイドが無いコンテナです。横から見たときにコの字になっているのが特徴で、特殊なコンテナの中のひとつです。
タンク式コンテナ
主に液体を輸送する目的のコンテナです。スチール製のフレームにタンクが設置されており、液体系の食品や化学薬品などの製品に適しています。
海上コンテナのサイズ
10フィートコンテナ
外寸:2.4m×2.6m×2.9m
積載:7,000㎏~9,000㎏
容量:16㎥
※用途によりサイズは異なります。
12フィートコンテナ
外寸:2.4m×2.6m×3.6m
積載:8,000㎏~10,000㎏
容量:19.5㎥
※用途によりサイズは異なります。
20フィートコンテナ
外寸:2.4m×2.6m×6m(8f×8.6×20f)
内寸:2.35m×2.38m×5.9m
積載:28,000㎏
容量:33㎥
※用途によりサイズは異なります。
20フィートコンテナ(背高)
外寸:2.4m×2.9m×6m
内寸:2.35m×2.7m×5.9m
積載:28,000㎏
容量:37㎥
※用途によりサイズは異なります。
40フィートコンテナ
外寸:2.4m×2.6m×12.2m
内寸:2.35m×2.38m×12.03m
積載:25,000㎏~27,000㎏
容量:67.5㎥
※用途によりサイズは異なります。
40フィートコンテナ(背高)
外寸:2.4m×2.9m×12.2m
内寸:2.35m×2.7m×12.03m
積載:25,000㎏~27,000㎏
容量:76㎥
※用途によりサイズは異なります。
45フィートコンテナ(特殊タイプ)
外寸:2.4m×2.9m×12.7m
積載:25,000㎏~27,000㎏
容量:85㎥
※用途によりサイズは異なります。
※1f(1フィート)は約0.3メートルです。
使用後はどうなる?コンテナの寿命と廃棄の流れ
トラックコンテナは過酷な環境下で使われることが多く、腐食・変形・溶接割れなどによって10〜20年ほどで寿命を迎えます。
不要になったコンテナは以下の流れで処理されます:
-
再利用(リユース) :状態の良いものは整備・塗装を経て中古市場へ。
-
再資源化(リサイクル):使用不可のものは鉄スクラップとして解体・加工されます。
コンテナのリユース:中古流通の現場
リユース市場では、特に以下のようなニーズがあります。
-
建設業者による仮設資材置き場としての利用
-
廃棄物回収業者による現場配置用コンテナとしての活用
-
一般事業者による「屋外倉庫」や「工具収納」への転用
状態の良いものは20万円〜40万円で流通することもあり、再塗装や簡易修理を施すことで商品価値が高まります。
コンテナのリサイクル:鉄としての価値
解体されたトラックコンテナは、鉄くずとして「重機構造物(H構造)スクラップ」または「混合鉄」として分類され、1tあたり3万〜4万円程度で取引されます(時価)。
強度が高く肉厚な鋼材が使われているため、製鋼原料としての評価も安定しています。
環境と経済の交差点としての役割
廃棄されるコンテナも「ゴミ」ではなく、資源へと生まれ変わることができます。
近年では、コンテナ本体を「DIYガレージ」や「移動式店舗」として再設計する取り組みも注目されています。
鉄のリサイクル率は90%を超えるとされており、資源循環型社会の実現において、トラックコンテナのリユース・リサイクルは欠かせないピースです。
まとめ:目を向けたい「使い終わった器」
トラックコンテナは、ただの運搬用の箱ではありません。
使い終わった後の選択肢として、「再利用」か「再資源化」かの判断が求められます。
スクラップ現場での解体も、環境価値の高い行為の一環。
「動かないコンテナ」も、次の形へと再び動き出すのです。

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0.SDGsってなに?
1.貧困をなくそう
2.飢餓をゼロに
3.すべての人に健康と福祉を
4.質の高い教育をみんなに
5.ジェンダー平等を実現しよう
6.安全な水とトイレを世界中に
7.エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
8.働きがいも経済成長も
9.産業と技術革新の基盤を作ろう
10.人や国の不平等をなくそう
11.住み続けられる街づくりを
12.つくる責任、つかう責任
13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさも守ろう
16.平和と公正をすべての人に
17.17のパートナーシップで目標を達成しよう
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