一般産業廃棄物とは?
【建設・製造・リサイクル業者が知っておくべき基礎知識】
一般廃棄物とは、事業系廃棄物で定められる20種類以外の一般家庭などから発生する廃棄物のことです。
産業や建設の現場で日常的に出てくる「廃棄物」。
「産業廃棄物って言葉は聞いたことがあるけど、何が“一般”なの?」
「金属くずや木くずは入るの?」
「一般ごみと何が違うの?」
そんな疑問をお持ちの方に向けて、今回は廃棄物処理法の観点から見た“一般産業廃棄物”の定義と実務での扱い方を、金属リサイクルの視点も交えて分かりやすく解説します。
※一般廃棄物の取扱は市区町村が処理責任を有し、各地域により具体的な内容は異なります。
一般廃棄物の具体区分
家庭廃棄物 | 可燃ごみ | 炊事仕事で生じた、残飯等の生ごみ・ちり紙・新聞・雑誌等の紙くず(市区町村により資源回収している場合があります。)、庭木の剪定で生じた木くず、衣類等 |
---|---|---|
不燃ごみ | 食器・窓等のガラス・食器・花瓶等の陶磁器、なべ・フライパン等の金属、ペットボトル等のプラスチック等(市区町村により資源回収している場合があります。) | |
粗大ごみ | 大型の電化製品(家電4品目)を除く・タンス・食器棚等の家具類・自転車等・通常の収集では大きすぎて対応できないもの | |
家電4品目 | 洗濯機・エアコン・テレビ・冷蔵庫(特定家庭用機器再商品化法(※「家電リサイクル法」)に従って廃棄) | |
パソコン機器 | パソコン及び周辺機器(資源有効利用促進法に従って廃棄) | |
自動車 | 自動車(使用済自動車の再資源化等に関する法律に従って廃棄) | |
有害ごみ | 乾電池、蛍光灯、体温計等の有害物質が含まれるごみ | |
事業系の一般廃棄物 | 可燃ごみ | 生ごみ・紙くず(産業廃棄物以外のもの)・木くず(産業廃棄物以外のもの) |
粗大ごみ | 大型の食器棚・机等・通常の収集では大きすぎて対応できないもののうち、木製のもの(金属製、プラスチック製のものは産業廃棄物) | |
し尿 | し尿 | くみ取りし尿で、人の排泄行為に附帯するトイレットペーパー類・綿類等を含む。 |
浄化槽に係る汚泥 | 浄化槽方式のものの槽に貯留した汚泥 |
建設廃棄物に係る処理責任
平成23年4月に廃棄物処理法の改正が施行されたことにより、建設工事に伴い発生する廃棄物(建設廃棄物)は、工事の元請業者を排出事業者とすることが明確にされました。
これにより、元請事業者が廃棄物処理法における排出事業者として処理責任を負うこととなり、マニフェストの発行、処理業者との委託契約の締結などは全て元請業者が行わなければならないことが明確になりました。
実務で重要なこと:処理には「責任」と「管理」がつきまとう
一般産業廃棄物は、出した事業者が「排出事業者」として処理責任を負います。つまり、「処理業者に渡したから終わり」ではないということです。
法律では、以下の管理が義務付けられています。
-
許可業者への委託(収集運搬・処分)
-
マニフェスト(産業廃棄物管理票)の発行・管理
-
契約書の締結(委託契約)
-
適正な分別と保管
これらを怠ると、不法投棄の共犯扱いや行政処分につながる可能性があります。
金属リサイクル業者の立場から見る「一般産業廃棄物」
金属リサイクル業界でも、「金属くず」は典型的な産業廃棄物の一つ。
ただし以下のようなケースでは、扱い方が変わってきます:
-
買取できるスクラップは「有価物」として扱える → マニフェスト不要
-
ゴミや異物が混ざっていれば「廃棄物扱い」になる → マニフェスト・契約必要
つまり、選別と処理の境界線をしっかり見極めることが収益性と法令遵守の両立に不可欠なのです。
まとめ:産業の現場では「捨て方」も技術の一部
一般産業廃棄物は、建設や解体、製造といった現場において毎日のように発生するもの。
しかし、その扱いを誤ると、法令違反やコストの増大、取引停止といったリスクにもつながります。
適切な処理ルート、正しい分別、信頼できる業者との連携──
「廃棄物処理」は、単なる後始末ではなく、業務の一部であり、会社の信頼を支える土台です。
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