リサイクル業者が考える「脱炭素社会に向けて」
今、全世界で目標とされている「脱炭素社会(カーボンニュートラル)」。日本も例外ではなく、政府や自治体、企業が力を合わせて脱炭素社会に向けた取り組みを進めています。その一環として、政府は市民のライフスタイル変革が必要と定義し、呼び掛けています。しかし、個人レベルで行う取り組みには意味がないと思ってしまいますよね。そこで今回は脱炭素社会化する重要性を解説し、脱炭素社会を実現させるために私たちが暮らしの中でできることをご紹介します。
世界中が目標に掲げる脱炭素社会とは?簡単に解説
脱炭素社会とは、CO2の排出量を削減し実質ゼロにした社会のことを指します。2015年に190か国以上が参加したされたパリ協定にて、達成しなければならない長期目標として定められました。地球温暖化の原因と言われているCO2、つまり温室効果ガスが排出されない社会になることで、地球温暖化を食い止める効果が期待されています。
「実質ゼロ」とありますが、私たち人間や動物が生きていくうえで全くCO2を排出しないというのは不可能なので、実際には排出量と植物などの吸収量を均衡にすることが目標です。このことから、脱炭素社会は英語で「カーボン・ニュートラル(炭素中立)」と表現されることもあります。
脱炭素社会を実現するためには、CO2を排出する石油や石炭エネルギーを脱却、風力や水力、太陽光などの持続可能なエネルギーへと完全に移行することが必要です。具体的な取り組みとして、政府は2030年に現在主流のガソリン車を廃止し、EV車へ転換していくことを発表しています。
日本で脱炭素社会を実現するための目標と課題
脱炭素化に向けて、日本では、2020年10月26日に菅総理が『2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする』旨を所信表明しました。具体的な内容は環境省の報道資料「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」によると、『21世紀後半のできるだけ早期に脱炭素化の実現を目指すとともに、2050年までに80%の温室効果ガスの削減に取り組む』と目標を掲げています。しかし、この目標は本当に実現可能なのでしょうか。
以下の画像をご覧ください。
(出典:温室効果ガスインベントリオフィス 全国地球温暖化防止活動推進センターウェブサイト)
全国地球温暖化防止活動センター(JCCCA)によると2018年には日本のCO2排出量は11億3800万トンで1990年の記録開始以来最も低い数値です。ただし、このままの減少幅では「排出量実質0」は到底達成できません。
そのため、今以上に効果的な方策を打ち出していくことが課題となっています。
私たちの意識や暮らしを変化していくことも大切
日本だけではありませんが、脱炭素社会を実現可能な目標とするには課題が多すぎるといわれています。その1つは個人の生活スタイルや環境問題への意識の低さです。
以下のグラフをご覧ください。
世界中の割合と比べても、気候変動を心配する日本人は少ないことがわかります。さらに、2017年の調査では1世帯当たりのCO2量は年間4.5トンとされていますが、目標達成のためには家庭由来のCO2 を4割削減する必要があると環境省は結論付けています。
個人でもできる!脱炭素社会を実現させる生活
脱炭素社会という目標を達成する家庭由来のCO2 を4割削減することが求められているということはお話ししました。実は、そのうち14%は各家庭が積極的に省エネに取り組むことで削減できるとされています。
CO2の排出量から商品を選ぶ
なるべくCO2の排出量が少ない商品・サービスを選択することでも省エネはできます。例として、以下のような取り組みが挙げられます。
・より省エネ性能の高い商品にする
・自動車の買い替え時は、EV車にする
・車の急発進は避け、エコドライブモードで運転する
省エネルギー性能から住宅を選ぶ
省エネ対策をした住宅には、「長期優良住宅」として特例措置やローン支援を設けている自治体もあるので、これから住宅を購入するという方はぜひ検討してみてください。
・太陽光発電など、省エネ設備を導入する
・省エネのためリフォームを行う
・省エネ性能の高い住宅にする
資源・エネルギーのムダを減らす
最も気軽に挑戦できる取り組みもあるので、積極的に取り入れてムダを減らすことが重要です。
・レジ袋を断る
・照明はこまめに消す
・冷房は低すぎず、暖房は高過ぎず、温度は控えめに設定する
脱炭素社会に向けてライフスタイルを変化させよう
今回は、脱炭素社会に向けた取り組みやその必要性について解説しましたが、いかがだったでしょうか。1人1人が環境を意識して、小さな省エネでもコツコツと続けることが目標達成のためには不可欠です。今後脱酸素化していく社会にともなって、自分自身のライフスタイルを見つめなおしてみましょう。
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