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ウッドショックの概要と今後

 

ウッドショックの概要、による経済の方向、倒産がおこるとしたら、今後のウッドショックの立ち直りについて簡単に解説しています。

 

 

ウッドショックの概要

 

ウッドショックはなぜ起きたのかということですが、極論、需給の逼迫で木材の価格が急上昇した結果、住宅を建築するために木材が必要となり、需給と供給のバランスが崩れたということです。

 

 前提にコロナの影響がある


コロナの影響で世界的に景気が落ち込んだ際、アメリカは金融政策によって、消費が回復してきました。今は仕事ではリモートワークが今までの出勤と置き換わっており、その結果アメリカでは家を購入する人が増えたわけです。さらに金融政策によって、低金利に誘導されているので家を建てるのには追い風となりました。

 

 世界の輸出・物流・海運コンテナが不足


日本の国産材では利用率は多くても3割くらいでしょうか。基本的には輸入材に頼っています。そして、コロナの最初の方ではマスクが不足しましたがそれを連想させるかのように危機感も出ているのでしょう。

コロナで物流に影響が出ており、貿易のコンテナは世界的に不足しています。コンテナ不足から木材の輸入が難しくなり、必要(需要)となれば当然単価は上がりますよね。

家を建てるためには安価で加工性に優れた木材が一般的に使用される場合が多く、木材の需要が高まりました。つまり家を建てるための木材の需要とコンテナ物流の問題が重なったということです。

中国でもかなり木材の消費が増えているようで、2010年からの10年間で中国の針葉樹丸太輸入量は約2500万立方メートルから約4500万立方メートルへと、1.8倍にまで増加していると言われています。

 

過去にもウッドショックがあった

 

過去にもウッドショックはありました。1992年、2006年ですが、いずれも供給する側の方でトラブルがあり、不足してしまって価格上昇を引き起こしました。

今回のケースでは様々な要因が重なり合っていますが、大本では需給が逼迫しているので需給が発端となっており、値段の上昇、値上がりが続くと言われています。

おそらく年内は高い水準を維持したままだという見解の方も多いのではないでしょうか?

 

 ウッドショックの影響がある業界


ウッドショックはもろに建設、特に住宅建設業者への業績に影響が大きいです。日本では木材は輸入モノばかりです結果として、住宅建設では注文した木材が届かない、見積もりの価格や納期が示せないという状況が頻発しているようです。

ウッドショックによって、建設関係での倒産は中小で起きる可能性が非常に高いです。

今回、在庫が多い大企業を除いて、在庫が少ない中小では注文が取れないという状況になります。注文はあっても、仕事を受けられないので悲しい倒産というケースもありそうです。

特に建設業界ではインボイス制度(貿易のインボイスではない)があるため、経費の消費税の課税対象の観点から、建設業界の職人の大半を占める「1人親方」が壊滅すると言われています。

 

ウッドショックからの回復

 

今後のウッドショックからの回復には時間を要すると見ています。アメリカの在宅スタイルでアメリカの需要が収まらない限り、需要が減らないでしょう。

カナダの輸入材もアメリカに流れていきますし、需給が多いから供給を増やせるわけでも有りません。

SDGsの持続可能な社会の達成のためには木をどんどん切って、植林すれば大丈夫のように見えますが植林も現状では足らないはずです。

 

 日本の地産と仕組みが課題


日本で地産地消すれば木材も足りると思われますが、国産は3割に満たないのが現状で、生産森業者・木材加工工場・住宅メーカーの効率的な生産体制や仕組みが必要となります。

その仕組みの構築の際に課題となるのは中小工務店ではないでしょうか?

大手はある程度すでにその仕組みを作っている気がしますが、中小工務店にとって莫大な投資は現状難しいと思われるため、結果として建設関係の倒産は増えるのではないかと思われます。

 

 

ウッドショックのまとめ

 

そんなこんなでウッドショックからの流れとしてはまだまだ値段は高い状態が継続しそうです。
需要が減る・もしくは木材資源の価値を再定義する・木材建築の価値をブランド化するなどが必要とはなります。
需要自体は時間の問題ではあるかもしれませんが、全ての資源の価値は今後岐路に立たされているのかもしれません。

 

 

 

 

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