金属スクラップ業界の2024年予測
非鉄金属スクラップの2023年の動向や予想は?
毎年この時期こんにちは、神田重量の中の人です。 12月現在では銅相場は少し弱含みとなっていますが、1月の半ば頃には現在の水準より少し下がっていくのではないでしょうか?
旧正月まではかなり水準は現在と変わらずで、為替による円高に警戒が必要です。 今年(2023年)も去年・一昨年に引き続き高値推移での銅相場が好調な年でした。
来週(12/18~19)には日銀の発表もありますが、おそらく現状維持で、瞬間的に円安になるかと思われますが、少し早いクリスマスプレゼントですね。
銅スクラップ価格自体は、従来の相場計算より若干高くなっており、スクラップ業者は発生難から調達に無理をした場合も多いようです。 今年の振り返りはいつも通り別の記事で記載します。
※2024年1月の銅建値改定日は1月4日になります。
来年の金属スクラップ・資源リサイクル業界
2024年の金属スクラップ相場
2024年前半は年明けは弱含み推移となり、旧正月前後から銅相場は戻してくると思われます。ただし、銅スクラップの価格と銅相場が一致するわけではございませんので、注意が必要です。
来年は引き続き需給バランスが難しい1年と予測されており、相場面や発生面から今年以上に苦しい状況と思われます。 ターニングポイントは3つです。
- 旧正月
- 4月の相場大変動
- 9月頃前半
- 11月~12月頃
今年は物不足・発生不足のおかげで国内スクラップ価格が好調ですが、ヤード業者によっては利益圧迫のところが多かったようです。
メーカーも同様で高値買いを続けても収益の圧迫により、出口戦略的な方向へ向かうと思われますので、なんらかの調整が入るのではないでしょうか? 2024年の非鉄金属・鉄スクラップごとの相場予想は下記の内容です。
共通するポイントは、メーカーの購入意欲は必要数のみ集める・貿易向けの海上便の混雑が予測されます。
相場の推移に関わらず強烈なスクラップ相場の動きになる可能性があり、非鉄金属に限らず鉄スクラップ相場も需給バランス次第で相場以外の話が多くなりそうです。
・鉄屑は2024年も高値横ばい気味で推移、逆輸入なども増えるかもしれません。多少上げ下げはあっても、陸送便ではなく、海上便が増加するのではないでしょうか?(鉄屑の輸出だけではなく、輸入も)
・貿易スクラップはスポット的に一部のアイテムが流通する程度で、価格牽引は難しいと思われます。
・銅相場の水準は、年始で下がるとは思いますが、2月頃と4月頃に大幅に上昇すると思われます。銅相場と銅スクラップ価格の乖離があると思われます。
・アルミ相場の水準は、下落トレンドで2024年前半は下げ続けるのではないでしょうか?
・ステンレス相場の水準は、18-8ステンのスクラップの環境は悪化すると思われます。相場ベースは2023年12月より10%ほど下がると思われます。
・鉛相場の水準は、2024年も引き続き強含みと思われます。10月~11月は素鉛(粗鉛)の輸出もかなり増加している印象です。
・新規プレイヤーはヤード業者は増加と減少、加工業者は大幅に減少、不適正ヤードに関する条例にも注目です。
・統合、吸収合併、M&Aなどはまだまだ増えると思われます。
2024年は円高予測もあるため、スクラップ業界にとってあまり良い年とは言えないと思われます。
2024年のスクラップ業界の課題
2024年は買い手市場ぎみで内容の充実化が必要になると考えます。
ここ1~2年の課題はスクラップ業者は横展開でレイヤーをどんどん重ねる必要になる、的なことを書いていたと思います。 2024年からは大手も動き出すのではないでしょうか?例えば下記のようなテーマになります。(弊社でも実践しています)
- 【サテライトヤードの増加】集荷拠点のハブになるヤードで利便性の向上(弊社でいうと東近江ヤード)
- 【スマートヤードの増加】コンパクトにアイテムを絞った専門性の高いミニヤード(弊社でいうと彦根ヤード)
スマートムーブ・スマートヤードに関する記事はコチラ |
これは2024年問題を解決するスクラップ関連業者のひとつの答えでもあり、輸送コストや運営コストが大きく圧縮でき、お客様の利便性も高い内容です。
つまり繰り返しにはなりますが、BtoBtoCで横展開は重要となっており、今後数年で動くと思います。
脱炭素やSDGsに取り組みにもなりますので、金属リサイクル業界が考えることは「リサイクルをすれば環境にいい」ではなく、「リサイクルするまでにどうするか」ということを考える必要があります。 ≫リサイクル企業の視点から考えるSDGs |
金属リサイクル業界のイノベーションへの投資が活発化しているようです。 リモート化、自動選別、自動検収、自動積込み、沿革積込み、炭化剥離技術、キャッシュレス決済、etc、、、
どうすればお客様が来るか、どうすればお客様が満足してくれるか、ということに気づきだしたというか、考え出す業者が増えてきています。
1年前に記載した金属スクラップ業者へ求められる3つのポイントは下記の内容
・一般のお客様へのニーズを満たす対応(少量の引取り対応)
・インボイス(適格請求番号)の取得とクリーンな運営
・インターネットやSNS、キャッシュレスを活用し、より便利でわかりやすいサービスの提供
2024年に金属スクラップ業者へ求められる3つのポイントはコチラ
・持込されるお客様への体験性の向上
・小ロット(既存ロットより少ない場合も含める)への対応
・お客様とのコミュニケーションの重要性
ここ数年で金属リサイクル業界への注目度も上がっており、一般のお客様が持込できる場所も増えました。
つまりお客様の属性が増えているとも言えますが、お客様が感じる体験性を考えてみましょう。
一般のお客様は、スクラップ業者が思っている以上に敷居が高く、億劫になってしまいます。
また「こんなもの買取できるよ」であったりも、当然わからない場合が多いです。
そのため、こんな勘違いをしているスクラップ業者も多いと思います。
・価格が高ければお客様は来る
・きっちり検収して計量するからお客様は来る
・サービス内容が良いからお客様は来る
これって全て、お客様がその内容を知っているって勘違いしていません?
だから、それを知ってもらうところからリスタートする気持ちでもいいのではないでしょうか?
それが結局、体験(experience)へと繋がり、お客様が求める潜在的ニーズ(処分することが目的・すぐに対応してもらうのが目的・高く売ることが目的)へと繋がっていく、
お客様ファーストを忘れないことは、金属スクラップ業界に限らず、本質的な面をこの業界も考えるタイミングということで今回の2024年の課題とさせて頂きましょう!
ここからは雑談ですが、毎月何冊か読書を習慣にしています。
最近読んだ本がとても印象的だったのですが、
「月の商人」著者:犬飼ターボ(2019年)
ずっと読んでみたくて、2~3年前に購入はしていたのですが、やっと順番がきました。※このシリーズほかにもあるんですが、それはまだ見てません
「自由を手に入れるため、奴隷の女の子は商売で成功しなくてはいけない、しかもたった1年で」 これは女性の社会進出や独立が増えていることはおいておいても、全ての商売に関わる人が自分は何者か、ということを再認識できます。自分の武器や手札、商売の原理原則がつまっていると思いますので、 個人的にはすごくしっくりした一冊です。
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