ケルメット合金【特殊金属】とは?

 

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 ケルメット合金は、自動車や船舶エンジンなどの軸受(ベアリング)に使われる特殊な合金です。
 銅と鉛を主成分とし、高速・高荷重の条件下でも優れた性能を発揮することから、信頼性の高い摺動材料として長年活用されています。
 この記事では、ケルメット合金の組成・特性・用途、そして金属リサイクルの視点からの扱い方まで、詳しく解説します。

 ★ケルメット(Kermet)とサーメット(Cermet)の混同に注意

 「ケルメット合金」は、技術文献や金属材料辞典などで「Cermet(サーメット)」の日本語表記として使われていることが多いため、混同して使われる場合が多くなっています。
 特に、「高温用工具材料」「原子力」「航空タービン」などの分野で出てくるケルメットはサーメット材料を指し、軸受合金としてはケルメット合金が使用されます。
 全くの別材料ですので、ご注意ください。

 

滋賀県金属買取の神田重量金属株式会社

 

ケルメット合金【特殊金属】

 ケルメット合金とは、鉛を含む銅(Cu)の軸受用合金です。高速高荷軸受としてしようされており、自動車や航空機のディーゼル機関などに使われます。

 鋳造性をよくするために錫やニッケルを少量添加している場合もあります。

 ケルメット合金の組成と特徴

 ケルメット合金は、主に以下のような金属成分から構成されます

  • 銅(Cu):母材。熱伝導性が高く、耐摩耗性を支える。

  • 鉛(Pb):潤滑性と“なじみ性”を向上させる。

  • スズ(Sn):鋳造性・耐食性を強化。

  • ニッケル(Ni)・アンチモン(Sb)など(微量添加):疲労強度や表面硬度を補強。

 【豆知識】ホワイトメタルとの大きな違いは、ホワイトメタルで耐えられない荷重があるような製品に使用されています。

 

 ケルメット合金の主な用途や特徴


 ケルメットは「軸受合金の定番材料」として、自動車・船舶・建設機械など、幅広い分野で使われています。

 具体的な使用例は以下の通り

  • 自動車エンジンのクランクシャフト軸受

  • コンロッドメタル(コンロッド大端部)

  • ディーゼルエンジン・大型船舶のメインベアリング

  • 油圧機器・コンプレッサー内の摺動部品

 特にエンジンのような「高温・高負荷・高速回転」が同時にかかる箇所では、ケルメット合金の性能が大きく活きてきます。

  • 耐摩耗性 :高荷重・高回転条件でも摩耗しにくい
  • 自己潤滑性:鉛によって油膜切れでも焼き付きにくい
  • 耐疲労性 :長時間の運転・高負荷にも強い
  •  鋳造性 :複雑な形状に鋳込みやすく、製造性が高い

 

 トリメタル構造におけるケルメット合金


 近年では、軸受材料は「トリメタル構造」として使用されることが主流です。

 トリメタルとは?
  1. スチール板(バックメタル)

  2. 中間層:ケルメット合金(銅・鉛ベース)

  3. 表面層:スズ・インジウム・鉛などの薄膜

 このような三層構造にすることで、強度・疲労性・耐摩耗性・焼き付き防止性能をバランスよく両立しています。ケルメット合金はその中間層として中心的役割を担っています。

 

 ケルメット合金としてのスクラップ・リサイクル視点


 ケルメット合金のスクラップとしての取扱は特殊金属として扱われますので、成分により異なります。

 ■ 発生源
  • エンジンの分解整備時に交換されたベアリング

  • コンロッドやクランクケースに付属する金属部品

  • 製造時のケルメット端材や不良品

 ■ スクラップとしての特徴
  • 鉛を含むためやや柔らかく、独特の比重感がある

  • 外観は銅に似た赤茶色や鉛光沢が混在

  • スチールバック付きの場合は磁石に反応するものもある

 ■ 注意点
  • 鉛を含むため、環境対応処理・分別が必要

  • 外見だけでは判別が難しいため、XRF分析などで成分確認が推奨

  • トリメタル構造のままでは分離工程が必要なため、評価が下がる場合もある

 

ケルメット合金スクラップのまとめ

 ケルメット合金は、銅・鉛をベースにした軸受専用の実用合金です。高速・高荷重条件でも摩耗や焼き付きに強く、エンジンなどの信頼性を支える重要な材料として活躍しています。
 スクラップとしても一定の価値がありますが、成分や構造の特性上、通常の銅や鉛スクラップとは別管理が望ましい金属です。
 もし現場で「この軸受、やけに重くて赤っぽいな?」と感じたら、それはケルメット合金かもしれません。
 リサイクル価値を正しく引き出すためにも、ぜひ知識として覚えておきたい金属素材です。

 

 

 特殊金属・レアメタルは基本的に金属元素


発生が少なく一般的に見かけることの少ない特殊金属は、見た目での判別も難しいため、専門のスタッフによる検収が必要になります。最近では精度は低いですが、機械による金属の選別機(選別ガン)などもあるため、それを活用すればある程度判別が可能となっています。

※選別を行う選別ガンは様々な種類がありますが、一般的な物は精度が低いためお気を付けください。

 

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  この記事について(著者情報)

 金属リサイクルの専門家として金属スクラップを取り扱う神田氏と山崎氏が解説しています。

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