チタン合金スクラップ【特殊金属】とは？
【航空・医療から工具まで】高価な合金スクラップの価値と注意点
もしかして「特殊金属・レアメタル」の買取価格をお探しですか？
チタン（Titanium）【特殊金属】
チタン合金とは？純チタンとの違い
純チタン（Commercially Pure Titanium）
-
チタン含有率99%以上の工業用チタン
-
耐食性に優れるが、強度はさほど高くない
-
主に耐腐食用途（化学装置、海水パイプなど）
チタン合金（Titanium Alloy）
-
チタンにアルミニウム、バナジウム、モリブデン、ニオブ、鉄などを添加
-
強度・耐熱性・加工性が向上
-
航空機・宇宙・医療・軍事・精密機械など、機能性を重視した分野に使用
つまり、強度や特殊性能を求められる環境では、必ずといっていいほど合金化されたチタンが使われているということです。
チタン合金スクラップの特徴と価値
-
高価値スクラップ：スクラップ単価は銅やステンレスより上、高品位なものはアルミ系合金の5～10倍の相場になることも
-
腐食しにくい：表面に酸化皮膜を形成し、海水や薬品にも強いため長期使用後も価値が落ちにくい
-
軽量で高強度：鉄の約60%の比重で、引張強度はステンレス以上。素材としても評価が高い
-
リサイクル適正が高い：スラグの発生が少なく、再溶解にも適している
チタン合金スクラップの回収と分別ポイント
なぜ分別が重要なのか？
チタン合金は、一見して他の金属（特にステンレス）と見分けがつきにくい上に、合金の種類によって価格が倍以上変動するため、適切な分別が非常に重要です。
分別の方法（一例）
- 比重測定 ：チタンは比重4.5（ステンレス7.9、アルミ2.7）で中間的な重さ
- 火花試験 ：ステンレスなどとは異なる火花の形状と色を示す
- 蛍光X線分析（XRF）：最も正確で確実。含有元素を即時分析可能
- 加工履歴・製品由来 ：医療系ならTi-6Al-7Nb、航空部品なら64チタンの可能性大
※価格は日々変動します。下記はあくまで目安です。
注意点：チタンスクラップ取扱時のリスク
-
鉄・ステンレスとの混入：分析機がない場合は誤って「鉄くず」として売却されるリスクも
-
可燃性粉塵の危険 ：切削チップなどの細かい屑は、空気中で自然発火の危険性あり（チタンは金属火災の対象）
-
選別ミスによる減額 ：せっかくの64チタンも、他金属と混ざれば「混合扱い」になり、大幅減額
チタン合金スクラップを高く売るためのコツ
-
できる限りグレードごとに分別・保管する
-
油分や異物（樹脂・塗料）を取り除く
-
製造メーカー名や部品ラベルを記録しておく（出所情報が評価される）
-
分析機を持つ業者に持ち込む（XRFによる正確査定が可能）
-
重量だけでなく“内容”を売るという意識を持つ
まとめ｜チタン合金スクラップは「知っている人だけが得をする」金属
チタン合金スクラップは、一般の鉄くずやアルミスクラップと比べて、価格も価値も段違いの“ハイエンド素材”です。
しかしそのぶん、見分けやすさ・取り扱いやすさは低く、専門知識が必要な金属でもあります。
選別が甘いと、何万円単位で損をすることも。
一方で、正しく扱えば「他では見落とされている高価金属」を発掘できる、いわば”スクラップ界の“お宝探し”といえるかもしれません。
特殊金属・レアメタルは基本的に金属元素
発生が少なく一般的に見かけることの少ない特殊金属は、見た目での判別も難しいため、専門のスタッフによる検収が必要になります。最近では精度は低いですが、機械による金属の選別機（選別ガン）などもあるため、それを活用すればある程度判別が可能となっています。
※選別を行う選別ガンは様々な種類がありますが、一般的な物は精度が低いためお気を付けください。
特殊金属の関連内容一覧
金属スクラップ図鑑
特殊金属一覧
超硬スクラップ
触媒スクラップ（メタル・ハニカム）
レアメタルとレアアースの違い
プレシャスメタル
特殊ステンレス一覧
ニッケル合金
≫≫コバール（Kovar)
≫≫ニクロム
≫≫ヘビメット
≫≫サーメット
≫≫ハステロイ
≫≫インコネル
半導体とは？
≫基板スクラップ一覧
≫≫パソコン基板・マザーボードスクラップ
≫≫電子基板・精密基板スクラップ
≫≫家電基板・雑基板スクラップ
≫≫その他基板スクラップ
≫≫パチンコ基板とスロット基板
≫≫半導体・CPUスクラップ一覧
このページを読まれた方はコチラも見ています
この記事について（著者情報）
金属リサイクルの専門家として金属スクラップを取り扱う神田氏と山崎氏が解説しています。
