スーパーやドラックストアのゴミ処理費用を減らし、有価物資源にする実例
「店舗や小売店にとって、金属廃棄はコストが大きい」「廃棄物の保管スペースに家賃を払っている」 物流や配送コストの増加や2024年問題など、小売業の既存の仕組みが変化しつつあります。 今回はSDGsや脱炭素への取組みの一環として、金属リサイクル専門業者が共同で行っている活動を解説致します。
- 金属廃棄に費用請求が0円って本当?
- 既存のゴミと一緒に捨てる場合とどう違う?
- 少量や大量の場合でも対応できる?
など、以前よりドラックストア・スーパーマーケット・衣料品店などからご依頼の多い”少量や大量の金属スクラップや什器の廃棄”について、今回はピックアップしています。
『もったいない金属の廃棄方法』や『分別や選別が出来ない場合』についても触れていくので、ぜひ参考にしてください!
この記事は下記の内容構成になります
・有価物である金属ゴミのルート回収によるメリット・デメリット
≫【一般的な金属ゴミの処理費用】
≫【結局、有価物で売る(売却)するには分別が必要でしょう?】
≫【店舗発生以外に金属が発生するケース】
・効率的な脱炭素【スマートムーブ】と金属スクラップ
・共同集荷は物流の基本となっている
≫【リサイクル推進と環境への取組みパターン】
≫【店舗環境と安全衛生面を考慮した取組みパターン】
≫【廃棄費用の圧縮を再検討したパターン】
≫【業者を再検討したパターン】
・ゴミ処理費用を減らし、有価物資源にするまとめ
有価物である金属ゴミのルート回収によるメリット・デメリット
有価物である金属資源を小売店や事業所の廃棄に、現在でも費用が発生しているケースが多い。
店舗で発生する様々なゴミの中で、産業廃棄物や一般産業廃棄物がございます。
この産業廃棄物には鉄やスチール、非鉄金属などの金属資源が含まれている場合があり、一般的には分別することにより有価物と定義されています。
古くなった店舗の棚や設備機器、オフィス機器、什器、放置自転車やバイク、空き缶なども全て金属資源として解釈できるアイテムは多岐にわたります。
通常店舗などで発生する金属ゴミは毎月50~100㎏ほど(店舗内装入れ替えなどで多く発生する場合もあります)です。
各店舗業者は店舗ごとに保管場所を設置して数カ月ためて業者に依頼するケースが多くなっています。
【一般的な金属ゴミの処理費用】
通常、車両費用と処理台で5~8万ほど必要になる場合が多く、店舗が複数ある場合など、年間のコストは無視できない金額となってきます。
また、バックヤードや商品を置くスペースで保管している場合、衛生面の問題や不要の混雑がうまれます。
【結局、有価物で売る(売却)するには分別が必要でしょう?】
店舗のバックヤードへ金属スクラップの出張買取などを行う場合、基本的には手作業で積込みを行うため、金属のみを回収致します。万が一混ざっていた場合、そのまま回収せずに「これは金属ではありません」とお伝えすることにより、シンプルに共有する流れとなります。
※金属の種類ごとの分別などは、金属買取業者が行う業務です。
そのため、時間や手間をかけて選別や分別をする必要が無く、ある程度分かる範囲で保管するだけとなっています。
専門的な知識は不要で、自然と分別の知識が蓄積されます。
【店舗発生以外に金属が発生するケース】
小売業者や店舗以外でも発生の多い「放置自転車や放置バイク」も金属が多く含まれた資源です。
これらは、張り紙(張り紙のPDFダウンロードは下記より無料で可能)をしてから、所轄警察署に届け出と確認を行ってから、回収となります。
もちろんコチラも引取り費用などは発生せず、出張買取での対応となっております。
効率的な脱炭素【スマートムーブ】と金属スクラップ
環境への取組みを行う中で、金属資源の回収自体はどんな企業でも課題となっており、費用面やオペレーション的に難しいと言われていました。
現在は「鉄くず出張買取ドットコム」というサービスが滋賀県内でルート便を活用して一般の方や個人様の1㎏(少量)にも対応が可能となっており、滋賀県以外でもどんどん拡大しています。
金属スクラップで「やってはいけない方法・もったいない実例」があります。
それは以下の方法になるので、必ずチェックしておいてください
「注意点・もったいない・やってはいけない」は以下の2つです。
例えば冷蔵庫や洗濯機など、業務用以外の家電リサイクル法で適用されている製品は金属が多く使用されていますが、金属スクラップとリサイクル方法が異なるため、取扱いが違います。
|共同集荷は物流の基本となっている
共同回収とルート回収により、少量の場合であっても出張買取による効率的な回収が可能になります。 実際に導入した際の例は下記の通りです。
【リサイクル推進と環境への取組みパターン】
- 業態 :ドラックストア
- 店舗数 :1~5店舗(滋賀県内)
- 従来頻度 :年に1回(1店舗あたり・改装は除く)
- 従来費用 :1店舗1回で¥5~6万ほど
- 導入の理由:廃棄物として費用を払うのではなく、きちんとリサイクル向けによる環境への取組みの一環
【店舗環境と安全衛生面を考慮した取組みパターン】
- 業態 :スーパー関連
- 店舗数 :1~3店舗(滋賀県内)
- 従来頻度 :年に2回(1店舗あたり・改装は除く)
- 従来費用 :1店舗1回で¥7~9万ほど
- 導入の理由:バックヤードや店舗裏に廃棄予定の什器やスチール棚などが通路を塞ぎ、景観と避難経路などしっかりと確保するため
【廃棄費用の圧縮を再検討したパターン】
- 業態 :衣料品店
- 店舗数 :4~6店舗(滋賀県内)
- 従来頻度 :年に4回(1店舗あたり・改装は除く)
- 従来費用 :1店舗1回で¥3~5万ほど
- 導入の理由:従来費用を払って処分していた金属資源をリサイクル向けで売却・処分し、売却金額を新しい設備などにあてるため
【業者を再検討したパターン】
- 業態 :工場・組立工場
- 店舗数 :1店舗(滋賀県内)
- 従来頻度 :毎月定期・スポット発生
- 従来費用 :売却していたが、運搬費用でほとんど相殺していた
- 導入の理由:運搬費用が必要なく、純粋に売却できる業者を探していた。また、混ざっている混合金属も買取対象だった点に惹かれた
ゴミ処理費用を減らし、有価物資源にするまとめ
2020年以降は資源相場が全体的に上昇しており、2022年以降は資源相場の上昇による価格転嫁・値上げラッシュが多くなっています。
従来では有価物として価格が追い付いていないアイテムも、現在では買取対象が当たり前になりつつあります。
現状の廃棄方法や金属資源を有効にリサイクルする方法、環境への取組みの一環としてご参考頂ければと思います。
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