プラスチック樹脂リサイクルの流れ

有価物になる廃プラスチック類一覧

 

 プラスチックリサイクルには適切なリサイクルプロセスを経て再生プラスチックとして新たな製品に生まれ変わります。

 地域のリサイクル施設や規制によって、どの樹脂が収集・リサイクルされるかが異なるため、地域ごとのルールに従うことが重要です。

 現代社会では、プラスチック廃棄物が深刻な問題となっています。世界中で毎年数千万トンのプラスチックが生成され、これが環境への負荷を増大させています。

 特に海洋において、プラスチックごみが生態系に深刻な悪影響を及ぼしています。

 

 

リサイクルの流れ

 プラスチックが回収され、新たな製品になるまでの流れについて解説致します。
収集

使用済みプラスチックは、家庭からの分別やリサイクルボックス、集積所などで収集されます。または、企業や製造業者からの産業廃棄物としても収集されることがあります。

分別

収集されたプラスチックは、異なる種類のプラスチックを分別する工程を経ます。ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルなどの異なる樹脂は分けられます。

洗浄

プラスチックは使用中に汚れや残留物がつくことがあります。リサイクルプロセスでは、これらの汚れを取り除くために洗浄されます。

粉砕

分別と洗浄が終わったプラスチックは粉砕機にかけられ、小さな粒子になります。この粒子は「フレーク」と呼ばれ、再生プラスチックの原料となります。

再生

フレークはさらに熱処理や化学的なプロセスを経て、再生プラスチックとして新たな製品や原料に変えられます。この過程は機械的リサイクルや化学的リサイクルと呼ばれます。

新製品製造

再生プラスチックは、新しい製品の製造に使用されます。例えば、再生PETは新しいペットボトルや繊維製品に再利用されます。

市場へ供給

再生プラスチックは市場に供給され、製造業者や製品デザイナーによって利用されます。再生プラスチックの需要が高まることで、持続可能なサプライチェーンが構築されます。

消費

再生プラスチックを使用した製品が市場に出回り、消費者が購入・使用します。これにより、サイクルが繰り返され、プラスチック廃棄物の削減や天然資源の節約が期待されます。

 

プラスチックのリサイクル方法

 プラスチックリサイクルにはいくつかの一般的な方法があります。
 一般的なプラスチックリサイクルの方法は下記の内容が採用されています。

 

 機械的リサイクル(Mechanical Recycling)


  • 収集と分別:使用済みプラスチックはまず、収集されて分別されます。プラスチックの種類ごとに分類され、混ざり合った異なるプラスチックを避けるために努力されます。
  • 洗浄と選別分別されたプラスチックは洗浄され、残留物や汚れが取り除かれます。
  • 粉砕と加工洗浄されたプラスチックは粉砕され、小さな粒子やフレークになります。
  • 再生と成形:粉砕されたプラスチックは加熱され、再生プラスチックとして新たな製品に加工されます。

 使用済みプラスチックは化学的なプロセスにかけられ、原料のモノマー単位に分解されます。分解されたモノマーは精製され、不純物や副産物が取り除き重合され、再生プラスチックとして利用されます。

 

 エネルギー回収(Energy Recovery)


 使用済みプラスチックをエネルギー源として利用する方法です。プラスチックを燃焼して発生する熱を利用して発電するか、直接エネルギーとして利用します。ただし、この方法は他のリサイクル方法よりも環境への影響が大きいとされています。
 一部のプラスチックは微生物によって分解されやすく設計されています。これにより、土壌中で自然に分解され、環境への影響を軽減します。
 ただし、適切な環境でしか分解されないため、適切な廃棄が必要です。※バイオデグレードプラスチック

 

 

 

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